当スタジオでは、パターン作成の工程で3DCADソフト「CLO」を使っています。 今回は、実務でどう活用しているか、そして最近よく聞かれる「AIが進化したらパタンナーは要らなくなるのでは?」という質問について、思うところを書いてみます。
CLOで何をしているか
CLOは、作成したパターンを立体的な3Dモデルに縫い合わせ、生地の質感や重さまで再現してシルエットを確認できるソフトです。 当スタジオでは、実物のトワルを作る前の「仮チェック」として使うことが多く、シルエットの狂いや、パーツ同士のつり合いを 早い段階で見つけるのに役立っています。
色違いのカラーバリエーションを一気に確認できるのも便利な点です。同じパターンでも、色や生地感が変わると シルエットの見え方が変わることがあるので、以下は実際にCLOで作成したデータの一例です。


同じパターンを、色・生地違いで3Dチェックした例。
こちらはダウンジャケットとパンツのセットアップを、同じく色違いで確認したものです。



AIが台頭してきて、パタンナーは要らなくなる?
最近、画像生成AIでデザイン画やイメージビジュアルを一瞬で作れるようになりました。「これだけ簡単に服の見た目が作れるなら、 パターンを引く仕事もそのうち要らなくなるのでは」と聞かれることが増えています。
今のところの実感としては、AIが得意なのは「服に見える画像」を作ることで、 パタンナーの仕事は「実際に縫える設計図」を作ることです。この二つは似ているようで、まったく別の技術です。 AIが生成した画像がどれだけ精巧でも、そこから縫い代・地の目・パーツ同士のつり合いを起こして、 実際に布で組み立てられる形にする作業は、今のところ人の手による検証が必要だと感じています。
一方で、CLOのような3DCADは、AIとは違う形で確実に工程を変えつつあります。実物のサンプルを作る前に シルエットや色違いを画面上で検討できることで、修正の往復回数を減らし、結果的に納期やコストを抑えることにつながっています。 当スタジオとしては、AIやCLOのような技術を「置き換えられる脅威」としてではなく、 本質的な設計の精度を保ったまま、確認や検討のスピードを上げてくれる道具として付き合っていきたいと考えています。
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